顧問弁護士と上手に付き合う5つのススメ

「顧問弁護士」制度は、あなたの会社を将来のトラブルから防ぎ、安心して業務を行うために、とても有益なものです。
しかし、単に顧問契約を締結したというだけでは、不十分です。
顧問弁護士と上手く付き合うことで、この制度を最大限活用することが可能になります。

(1)とにかく相談すること

弁護士と顧問契約を締結したのは良いけど、何の連絡もない・・・
毎月5万円も顧問料を払っているけど、無駄ではないか・・・

様々な会社の方とお会いしていますと、こういう声をよく聞きます。

顧問弁護士は、税理士さんの顧問契約(記帳や申告)と異なり、日常的な業務はありません。
それでは、あなたの会社から何も相談がない間、顧問弁護士は、あなたの会社のために何かをしているでしょうか。

誤解を恐れずに率直に言いますと、何もしていません。

ほとんどの弁護士の場合、顧問先からのご相談がない限り、何もせずに顧問料を受け取っているにすぎません。
何も相談しなければ、月々の顧問料は無駄になります。

もちろん、「将来何かトラブルが起こったときの保険」のために顧問契約を締結されている会社もあるでしょう。
それも顧問契約の重要な目的の1つです。

しかし、普段から相談していなければ、トラブルが起こったときに一から会社の状況を説明しなければならず、何年も顧問契約を締結しておくメリットはほとんどありません。
トラブルが起こってから、良い弁護士に依頼すれば、それで十分です。

また、顧問契約には、無料で弁護士に相談できるという内容が必ず含まれています。
これを最大限活用しないのはあまりにも不経済です。

顧問契約を活用するためには、顧問弁護士に十分な時間をとってもらい、相談する機会を持つことだと思います。
社長自身に時間がなければ、訪問するのは担当者だけでも構いません。
電話でも、メールでも、ご相談の方法は何でも良いと思います。

顧問弁護士には、とにかく相談すること。これに尽きます。

(2)相談の内容は何でもよい

顧問弁護士に何を相談したらいいか分からない・・・
法律問題を相談しないと怒られるのではないか・・・

顧問弁護士に相談する前に、「これは弁護士に相談すべきことだろうか?」と考える必要は全くありません。

相談の内容は何でも構いません。
業務の中で気になっていることがあれば、それをそのまま聞けばよいと思いますし、何が問題か分からなくても、契約書や社内規程を見せて「何か問題ありませんか?」でも構いません。

「法律問題」か否かなど気にしていては、どんどん敷居が高くなってきます。
相談したいことが複数あれば、全部聞いちゃいましょう。

また、回答を求めたい相談がなくても、あなたの会社の動向について話をするだけでも重要です。

会社の新製品や、社員の動向、あなたの個人的な悩みについて、ざっくばらんに話してみましょう。

弁護士には守秘義務があります。
外では言えない話でも、顧問弁護士には相談できることがたくさんあります。

なにげない世間話の中に、重要な法的問題が含まれていることも多々ありました。

顧問弁護士には十分な時間をとってもらいましょう。

(3)相談内容を残しておくこと

顧問弁護士に法律相談をした場合は、質問と回答の内容を「報告書」にまとめてもらいましょう。
「報告書」という形式でなくても、メールで回答を受けた場合、それを残しておくようにします。

将来、同様の法律問題が生じたときに、以前の法律相談結果は必ず役に立ちます。
書類として残しておけば、会社の担当者が変更になった場合にも引き継ぎができます。
顧問弁護士とのやり取りは、それ自体、会社の財産となっていくのです。

弁護士の中には、相談内容を文書にすることを嫌がる方もいます。
誤りがあったときに「揚げ足をとられる」、「誤魔化せない」、何より「めんどくさい」というのがその理由です。

しかし、顧問弁護士であれば責任を持って回答すべきですし、あなたの会社から求められている「報告書」の作成を拒むべきではありません。

相談に応じる弁護士の側としても、ご相談の内容を正確に理解してもらうために、報告書として残しておくことは、とてもメリットがあります。

(4)重要な書類は顧問弁護士に送っておくこと

会社の定款、株主名簿、就業規則、賃金規程などの社内文書、重要な取引先との契約書など、会社にとって重要な書類は、すべてコピーをとって顧問弁護士に送っておきます。
単に送るだけでなく、中身を法的にチェックしておいてもらうと良いでしょう。

そして、顧問弁護士の法律事務所に保管しておいてもらいます。

顧問弁護士は、あなたの会社の重要書類に目を通しておくことで会社の全体像を把握し、また、書類の不備を指摘したり、トラブルを未然に防ぐことができるのです。

このようにしておけば、何らかのトラブルが生じた場合にも、迅速に対応することができます。

こうした書類のチェックは、顧問契約を締結したらすぐにやってもらいましょう。

そして、1年に1回は、定期的に更新しておくことが必要です。

あなたの会社の「主治医」である顧問弁護士に、定期的に「会社の健康診断」をしておいてもらえば安心です。

(5)あなたの会社に合った弁護士に顧問になってもらう

あなたの会社が、「顧問弁護士」制度を最大限活用するためには、これまで述べてきたような付き合い方ができる弁護士と顧問契約を締結することをおすすめします。

まず、「十分な時間をとって相談に乗ってもらえること」がとても大切です。

弁護士は忙しい方が多いのですが、顧問先は重要なお客様のはずです。
「忙しい」と言って、会う時間もとれないというのは論外です。

連絡をとった週の内には面談の時間をとってもらうのが理想的ですが、仮に翌週になったとしても、十分な時間をとって面談してもらうことが大切です。

少なくとも2時間程度は予約しておきましょう。

早く相談が終わっても別に構いませんし、メインの相談が終わった後に、会社の動向について話したり、雑談したりするのも良いでしょう。

「迅速に回答してもらうこと」も重要です。

弁護士の世界はのんびりした方も多いのですが、ビジネスにおいては一分一秒が勝負になることも多いです。
顧問弁護士への相談が遅れたために、対応が遅れ、損害が拡大することもあります。

ゆっくり時間をかけて相談するのとは別に、あなたの会社にすぐに必要な情報を、迅速に回答してもらいましょう。

そのためには、メールによる質問ができるようにしておくことが良いと思います。
メールでの相談にも速やかに回答してもらえる顧問弁護士が望ましいことはもちろんです。

また、緊急時の連絡体制を整えておくことも必要です。
当事務所では、顧問会社には、私の携帯番号を伝えており、いつでもご相談いただけるようにしております。
以前、ある会社が金曜日の夜に盗難被害にあったことがありましたが、私の携帯電話にご連絡いただき、迅速に対応することができました。

「フットワークが軽い方」に依頼しましょう。

弁護士は、裁判所に行く以外は、事務所でご相談をお聞きすることが多いのですが、書類が会社に保管されていることを考えると、会社にご訪問させていただいた方が良い場合も多くあります。
もちろん、相談内容によっては、情報が漏れにくい弁護士事務所で相談する方が良い場合もありますので、ケース・バイ・ケースです。

社長さんはとてもお忙しい方も多く、そういうときに限って法律問題が生じたりしますので、弁護士がご訪問することにより、時間を有効に活用できます。

積極的に会社をご訪問させていただく「フットワークの軽い」弁護士が良いと思います。

最後に、最も重要なことは、「質問しやすく、相性の良い弁護士」に頼むことです。

優秀な弁護士であったとしても、質問するあなたの方が萎縮してしまったり、相談するのが億劫になってしまえば、全く意味がありません。

顧問弁護士に最低月1回は会うとして、面談が楽しみになるような「相性の良い」弁護士と顧問契約を結ぶことができれば、とても有意義なものになります。

法律相談といっても深刻な話ばかりではありません。
たまに冗談を言い合える、気心の知れた顧問弁護士との付き合いを深めていってはいかがでしょうか。

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